高垣彩陽 11thシングル『Futurism』感想
リリース日から日が経って今更ですが、残しておこうと思い立ってたので記録します。これからも残していくつもり。
1《Futurism》
重さを感じるメロディアスな高垣さんの歌い上げから始まります。(高垣さんの歌声は弦の音ととても相性がいい気がします。)
沢山のビートが背後ら追いかけてくるように刻まれて、息を切らして走っているような曲調にかわり、迷いながらも足を止めずに走っている景色が見えるような楽曲。
突然ですが、長距離を走っているときって孤独ですよね。
自分の心臓の音と、息づかいと、地面を蹴るリズムを聞きながら走っていて、「ああ苦しい…今すぐ立ち止まって休みたい…」とか考えてるんです。
私はよく、「ゴールまで立ち止まらないって決めたから、今走るのをやめたら後悔するなぁ…後で自分のこと信じられなくなるから止まれないなぁ…でも止まって体力回復させてからまた走り出してもいいんじゃないの?誰も見てないし」とか考えてます。煩悩だらけです。
《Futurism》は本当にその「ただひたすらに走っている」ときの曲です。
がむしゃらに頑張ってるときの、迷いとか、楽な選択の誘惑とか、複数の選択肢がある中で、1つを選んだときの心の不穏さ、焦燥感に襲われながら自問自答するときの私の不安に見事なまでに合致する曲。
サビはビートが安定して刻まれるのが特徴的。MVのダンスでは、片手を挙げて固定し、ビートに合わせて重心を動かさずステップを踏む振り付け。
高垣さんの歌声の魅力をひき出すメロディアスさ、決意表明のような歌詞、重心がブレないダンス。全てが完成されていて、アンセムのような楽曲。
2《世界と私はつながっているのだから》
ジャズライブでのセッションのような曲!
「祈ることしかできない」という、曲のコンセプトが生まれた経緯を、ブログなどでお話しされていた限りの事前情報では(個人でNYに旅行された際に、祈るために教会に立ち寄ったというエピソードや毎年足を運ばれているという報道写真展についてなど)、
教会音楽・聖歌や賛美歌のような曲をイメージしていたので、とても新鮮な驚きでした。
うたっているのは、確かに存在する世界中の不平等や理不尽について。
日常会話で自分以外の人にはなかなか話さない話題ですよね。普段は心の内側で自問自答しているような、そんな内なる言葉の歌詞です。
ラフな感じのアレンジだからこそ、より高垣さんの心の中で逡巡していた祈りのことばが、すっと鋭く入ってくる。作曲されたKOKIAさんの的確さに脱帽です。
また、高垣さんなら、これからこの曲を披露するその時その時で、歌の表情が変わっていくだろうな…と楽しみでもある曲。
3《Happiness》
ブロードウェイ・ミュージカル『You're a Good Man, Charlie Brown』の最後のシーンをかざるナンバーのカバーソング。
高垣さんは昨年、小林香さん演出の日本版キャストのミュージカル「きみはいい人、チャーリー・ブラウン」にルーシー役でご出演されました。
ルーシー役のときの無邪気なこどもらしい歌声とはまた違った、現在の高垣さんのやさしい歌声。
こどもたちが幸せな出来事を数える様子を、少し離れた場所から見守っているよう。
ミュージカル「きみはいい人、チャーリー・ブラウン」での経験から、曲の盛り上げ方などのアレンジに、高垣さん自身の意見を取り入れられたそうです。
シングルタイトルのFuturismは直訳で「未来派」。
Elements Gardenの藤田さんの、様々なジャンルを融合させつつ、ドラマチックな展開のメロディ(EDテーマとしてタイアップのアニメ『戦姫絶唱シンフォギアAXZ』では錬金術や錬金術師がストーリーの1つの要素にもなっています)と、mavieさんによる高垣さんの哲学を表した歌詞。
いつも夢を明確に描いている高垣彩陽さんらしくもありながら、がっつりシンフォギアの楽曲。
カップリングもあわせて、高垣さんのシングルはいつもそうですが、今回も、1枚で様々なジャンルの曲を楽しめます!
リリース関連のつぶやきもまとめてあるので、よろしければぜひご活用ください。
https://togetter.com/li/1141194
You're a Good Man Charlie Brown
- アーティスト: Musical Cast Recording
- 出版社/メーカー: Masterworks
- 発売日: 2012/04/24
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